D級パワーアンプモジュール (1.1W+1.1W)


TPA2001D1のキットが出てすぐ後に秋月電子から発売された同じくD級アンプの完成基板 AE-CD8755。
仕様としてはほっとんど同じですが、こちらはJRC (新日本無線)のIC、NJU8755が使われています。
http://akizukidenshi.com/catalog/items2.php?q=%22K-02272%22&s=date&p=1&r=1&page=

キットのものと違うのは、電源に5Vのレギュレータが入っていて過電圧に耐えられる
(しかしオーバーした電圧はロスとなる)ことと、出力にフィルタが入っている部分でしょうか。




まず危険なのはココ。入力カップリングにセラミックコンデンサが使われています。
ぶっちゃけ音質的には気にしないでこのままでいいかなと思ってたんですが、
基板をコツコツ叩くと出力に音として出てしまうという現象が。
これはセラミックの圧電効果のため。だからこういう部分にセラミックコンデンサを使ってはいけない。

とりあえず電解に変えときました。IC側は2.3Vくらいでバイアスが乗っているので
普通の有極性のコンデンサでいいと思います。
ちなみに差動入力には非対応です。

音を聴いてみると、音質的にはキットの方と比べても特に劣ることもなく、力強い感じで
鳴りました。しかし可聴帯域の残留ノイズの点で劣っており、無音時にピンクノイズのよう
な低域寄りのノイズに加え、高域の「キュー」というような音がかなり気になりました。
ちなみにこれは8Ω:64Ωを経て接続したヘッドホンにて判断しましたが、
手元にあった高能率(91dB)のスピーカに接続した場合は、耳を近づけると聴こえる程度の音量でした。

そういえば、大入力時に出力のフィルタのコイルが鳴ってたな…。



出力のキャリア波形。周波数はおよそ350KHz。
フィルタが入っているおかげでかなり減衰し、高調波がさらに落ちているため
サイン波として観測できました。

0.28Vp-p  開放時 (8Ω負荷でもほとんどかわらない)




1KHzのサイン波を入力。クリップ寸前の最大時の出力波形。
いくらか残留成分が残っているのがわかります。
0.1V/div



入力レベルを下げていくと、ますます残留成分が目立ってくるようになりました。
0.2V/div


キットのものに比べると、フィルタがついてる分だけ安定動作な気がしますが、
SN比の悪さを考えると今回はわざわざこれで作り直す、ってほどではないかも。



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