小音量での歪みについて
普通のJ-POPなんかの音楽ソースを聴いていると全く気にならないんだけど、
ピアノのソロとか、もしくはサイン波を小音量で鳴らした時にどうも歪みが耳につく。
こんなもんなのかなーなんて思ってたんですが、ふと、入力周りの回路を指で触れると
歪みがウソのように消えたりするので調査してみることに。
最初は入力コンデンサの足を指で触れると歪みが無くなることに偶然気付いたんですが、
どうやらコンデンサとICの間のラインに原因があるようだ。
ここにオシロのプローブを当てても、指の時と同様に歪みが無くなった。
なんでだろう、ってことでさらに調査。
オシロのカップリングがACだとだめでDCの時だけ改善され、しかも×10の時はだめで
×1の時は改善される。
ってことはDC的に1MΩほどの負荷がぶら下がると改善される、ということで
バランス入力化してあるので若干加工入ってますが、デフォルトの状態でも
現象は同じようです。
+INPUT -INPUTどちら側でもいいので片方のみを1MΩでGNDに落とすと歪が改善。
が、しかしこれをやると無音時の「キューン」って音が出るようになる。回路が安定しなくなる。
かといって+ -両方ともに抵抗をつけると、また歪むようになってしまう。
…で、この時に回路で何が起こってるのか知りたいわけだけど、出力がPWMのせいもあって
観測がしにくいんですよ。これがD級アンプの難しいところ。
大体予想はついていたんですが、1MΩでGNDに落とすことによりバイアス値が下がることが
歪みに影響しているぽい。そして片側だけに抵抗をつけるとバランスが崩れるから安定しなくなるようだ。
そして両方につけるとバイアスが下がりすぎるのでNG。
で、なんでバイアスの量で歪みが出たり出なかったりするのか。
原因は多分コレ。
発振段のCの端子で観測できる三角波。めちゃくちゃ重要な波形なのにツノが出ている。
バイアス値によって歪みが出たり出なかったりするのは多分、バイアス値によって小音量の
音声信号がこのツノの部分を避けられるからじゃないかと。
このツノ、なんでー?
下が音声出力の波形。
まあ、こういうことです。
このように電源も振られまくってます。 50mV/div
何が悪いかっつーと、多分基板のパターン。
発振などを行う初段の電源ピンと、出力のFET駆動用の電源ピンが一緒に繋がっている
から、出力段の大電流のオンオフの影響で、発振段の電源が乱れているのがだめだと思います。
GND共々、ちゃんと分離してあげないとだめだと思います。
足あげて
足まげて
足下げて
抵抗つけて
試しにこんな感じでフィルタを組んで、さらに電解も足したりしてみたんですが
どうやらこの程度じゃ大して改善されないようで実験失敗。
まあ、GNDもベタGNDだからかなり振られてるのでこっちの影響も大きそうです。
オシロのGND取る部分も迷うくらいですから。
どうするかなあ。FET段の足を全部めくり上げてリード線で配線するか、
もしくは基板のパターンカットするか(多分物理的に無理)
キットの基板使わないでユニバーサル基板で組みなおすか。
うーん、元々けっこういい感じに出来上がってきてるだけあって、
この歪みなんとかしたいなあ。
→結局この歪みがあったほうが音的に特徴があって良いということになりました。
実際、気持ちよく聞こえたりするんですよw