アナログ盤のアーカイブをするにあたってのテクニックとか


覚書を兼ねて書いときます

当分は執筆中






■調整関連の確認事項




プレーヤーを水平に設置する。

トーンアームに不要な力が掛かったりしないようにプレーヤをなるべく水平に設置する。
脚を回転させると高さが変わるはず。




オーバーハングの調整

一般的なEIA準拠のシステムの場合は針先からトーンアーム付け根までの長さを
51mmになるようにカートリッジを取り付ければいいらしい。
使用したKENWOOD KP-9010の場合は51.2mmにするようにと取説に書いてある。



針圧の調整

まずはカートリッジを取り付けた状態でアームの前後がつりあうように
カウンターウエイトの位置を調整する。
つりあったら目盛りの部分のみを0位置まで動かし、
その後カウンターウエイトごとを前方方向へ動くように回転させ、目盛りが
適切な針圧の値を指示するようにする。DL-103の場合は2.5g




インサイドフォースキャンセラーの調整

トーンアームが内側に引き寄せられる現象を補正するために外側に向けて
力を加える機構。
通常は針圧と同じ値にすれば良いらしいが、再生音に歪みが発生したり
する場合は加減する。掛けないほうが良い場合もある。
丸針の場合は控えめのほうが良いという説もある。




アームの水平の調整

レコード盤に針を下ろした状態でアームが盤面と水平になるように調整する。
場合によっては多少前屈みになってもいいが、その逆は良くないらしい。




カートリッジの垂直の調整

カートリッジ(針)はなるべくレコード盤に対して垂直に接するのが好ましいが
各所の加工精度や取り付け精度によって垂直にならないこともある。
盤面に写った虚像をみて確認する。



一般的なヘッドシェルは角度調整ができないが、一部調整が可能なモデルもある。

写真はAT-LH15/OCC




■EPアダプターについて

ドーナツ盤を再生するために必要なアダプター
大抵はプレーヤ付属のもので済ませてしまっていると思うが
これには直径の誤差によるワウフラッタの発生という問題が潜んでいる。
曲の最後のフェードアウトの部分なんかのピッチが揺れてグァングァンいうのは
EPアダプターの遊びのせいでレコードが偏心して回転しているのが原因である。



Vestax EP-1

これは最悪。
写真をみてわかるように明らかに直径がレコード盤の穴に対して小さい。



実測で直径37.75mmくらい。
対してレコード盤のJIS規格は38.2 ±0.05mmらしい。




NAGAOKA AD-653/2

こちらはVestaxに比べるとだいぶ隙間が狭くなっており
レコード盤の穴の径に近いことがわかる。
仕様では 38.1 +0 -0.05mmらしい。



どうせなら旋盤屋に頼んで38.15mmもしくは38.2mmのピッタリサイズを作って
もらいたいところだが、この場合レコード盤の誤差によってはキツくて入らない
ものがあるかもしれない。









■カートリッジについて

手持ちのものから使用感とか。




DENON DL-103



周波数特性


針先




※EP盤を録音した時に気づいたんだけど、DL103だと内周にいくにつれて
レベル低下と歪が顕著にみられた。固体不良の可能性もあるが、丸針の限界
はこんなものであるということなのだろうか。

波形は1曲分でRIAAイコライザを通す前の波形です。



DENON DL-301II



周波数特性







audio-technica AT33PTG



周波数特性



AT33PTGの製品添付の周波数特性表

※これを見ると測定結果がほぼ一緒であることがわかる。


針先





audio-technica AT33EV



周波数特性





SHURE SC35C



周波数特性


針先




audio-technica AT15Ea



周波数特性





GRADO PRESTIGE BLACK1




周波数特性


※周波数特性については、別ページ記載のトランスを使用してテストレコードのスイープ信号を再生したものを録音し
たものにRIAAイコライザプラグインを掛けたものをスペアナで表示させたものである。
50Hz以下(物によっては200Hz以下)の帯域はランブルノイズの影響があるため盛り上がっており、正しく計測できていません。
高域が上昇気味のカートリッジが多くあるが、実際に音楽を再生した時の聴感では高域不足に感じることが多い。



■ノイズ波形のサンプリング周波数による違い

レコードのプチノイズはインパルスのため可聴外の帯域にも周波数分布がある。
また、ノイズ発生時などに現れるカートリッジの固有振動も可聴外に存在することがあるようだ。
録音時のサンプリング周波数が高いほうがノイズ波形もも忠実に再現するため、ノイズ除去の際に
波形を認識しやすくなり、処理にかかる手間を短縮できる。


サンプリング周波数96KHzの時および、44.1KHzにダウンサンプリングした時のノイズ波形
(RIAAイコライジング前)

サンプル1(大きなノイズ)


サンプル2(小さめなノイズ)





レコードプレーヤをオーディオI/Fのマイク入力に接続するためのMC昇圧トランス/MM降圧トランスの製作

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