iPod nano 4G ドックコネクタ出力 VS ヘッドホン出力対決




ドックコネクタの方が音が良いとかいう人がいますが、真偽は不明です。参考までにRMAAで比較してみました。

RMAAのデータの個人的解釈によると、基本的にどちらも一緒と考えて良さそうです。
若干違うのはヘッドホン出力のほうがクロストークの点で20dBほど良いというところでしょうか。
なお、ドックの方はボリュームが固定だからなんだとかいいますが、ヘッドホン出力にプラグが挿さっている状態だと
Dockからは音が出ないことから考えると、基本的に同一の出力でDockが活きる時だけソフトウェア的にボリュームを
固定しているようにも思えるのですが…。

ちなみに両者の違いとして判明しているのはボリュームの件のほかに出力インピーダンスの違いがあります。
ヘッドホン出力は約6Ωで、ドックのほうは100Ωくらいあります。(保護用?)

テスト結果ですが、どちらともオーディオインターフェースに直結なので極めて軽い負荷での測定結果となっています。(公称 10KΩ)
実際にヘッドホンを接続した状態では特性が異なることも十分に考えられます。

特性については、iPodの特性がかなり良いために正確性はほとんど無いと思います。
計測環境のスペックがiPodの特性を十分に上回っていません。それだけiPodの特性が素晴らしいということです。


また、出力には可聴外の高周波ノイズがあることがわかっていますが、RMAAでは計測できません。


測定条件
使用ファイルは48KHz/16bitのアップル ロスレス圧縮ファイル
出力をdigidesgin Mbox2Pro ライン入力に接続
ボリュームは最大(無負荷時はクリップしないので)



iPod nano 4G HeadPhone
iPod nano 4G Dock

RightMark Audio Analyzer test


Testing chain: External loopback (line-out - line-in)
Sampling mode: 16-bit, 48 kHz




Summary

TestiPod nano 4G HeadPhoneiPod nano 4G Dock
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB: +0.02, -0.09+0.02, -0.08
Noise level, dB (A): -94.1-94.1
Dynamic range, dB (A): 94.194.1
THD, %: 0.00230.0044
IMD + Noise, %: 0.00720.0086
Stereo crosstalk, dB: -92.9-71.8



Frequency response

Spectrum graph


Noise level

Spectrum graph


Dynamic range

Spectrum graph


THD + Noise (at -3 dB FS)

Spectrum graph


Intermodulation distortion

Spectrum graph


Stereo crosstalk

Spectrum graph



This report was generated by RightMark Audio Analyzer 6.0





※2012.6.27
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/wm/1314278769/
ここで話題になってたのでクロストークの件アナライザでチェックしときました。

やはりdockのほうが悪い結果が出ました。
dockコネクタは接着してしまったので内部構造は再確認できませんでしたが、
最低限の配線になっているはずで、これだけの配線で10dBも悪化するのなら
dockコネクタ自体に実用性がないと言っても良いのではないでしょうか。

RMAAでの値より全体的に数値が悪いのはおそらくアナライザの帯域制限が絡
んでくる問題だと思います。

>>894

>それぞれ適正な負荷をつなげないと測定にならんよ
>ヘッドホン端子をオープンで観るとか論外

これですが、ライン出力を得るためにあえてdockを使う意味があるのかを
検証する目的なので問題ないと考えています。
ヘッドホン端子のみ負荷を掛けたらそれこそ比較になりませんので。






※上記の測定時に使用した音声ファイルが以前別の用途で製作したものでレベルが-10dBFsであることに
後から気づいたため、あらためて0dBFsの出力で測定したところドックが-63.97dBとほぼ変わらないのに対し
ヘッドホン出力は-83.9dBと改善しているのがわかりました。
なおアナライザのクロストーク測定機能には基本波のみ抽出するフィルタが入っているそうです。
いずれにせよドック出力の品質はヘッドホン出力に劣ると判断できると思うのですがいかがでしょう?




※さらに追記

テスト音声ファイル Lchのみ1KHz 0dBFs Appleロスレスファイル 44.1KHz 16bit

クロストーク

ヘッドホン端子 -83.8dB
ドックコネクタ -63.9dB

クロストーク測定時の基本波抽出のフィルタは案外甘く、基本波帯域外も-40dBくらいの減衰量しか無いよう
だった。(発振器を2台用いて確認)

そこで、この状態でRchのノイズレベルを測定。

ヘッドホン端子 -118dBu以下 @帯域制限22KHz
          -40.11dBu @帯域制限なし

ドックコネクタ -63.52dBu @帯域制限22KHz
         -48.77dBu @帯域制限なし

可聴帯域においてヘッドホン端子にはクロストークどころか残留ノイズも無いことが判明した。
ドックコネクタについてはクロストーク成分か残留ノイズか判別できないものの、何かしらの信号が
-63.52dBuほど存在する。

ということで今度は両chとも無音のファイルで同様にノイズレベルを測定

ヘッドホン端子 -118dBu以下 @帯域制限22KHz
          -39.96dBu @帯域制限なし

ドックコネクタ -118dBu以下 @帯域制限22KHz
         -48.90dBu @帯域制限なし

ヘッドホン端子については測定値は変わらず大変優秀です。
ドックコネクタについても今度は-118dBu以下と測定限界以下を示しました。
よってドックコネクタにはやはり64dBほどのクロストークがあるといえるでしょう。
(ドックコネクタ出力のレベルは0.5dBu@0dBFsでした)
RMAAの示すクロストーク値は測定に使用したオーディオインターフェイスの影響があるものの、
概ね正確であり参考になる値といえませんでしょうか?


続いてついでなのでTHD+Nについても測定。


1KHz 0dBFs信号にて。

ドックコネクタ 0.0034% @帯域制限22KHz
         0.58% @帯域制限なし


ヘッドホン端子(ボリューム最大) 0.0045% @帯域制限22KHz
                     0.68% @帯域制限なし

ちなみにヘッドホン端子はボリューム最大ですと歪率が悪化することが判明しています。
よってボリュームを下げて測定をしてみます。


ヘッドホン端子(ボリュームちょい下げ) 0.0000%測定限界以下 @帯域制限22KHz
                        0.62% @帯域制限なし
                        0.0054% @帯域制限30KHz

という具合でまさかの測定限界以下が出てしまいました。
0並びが表示された時は異常動作を疑いましたが、30KHz制限にすると出てくるので間違いでは
なさそう。
ノイズレベルといい歪率といいちょっと考えられない値なのですが、本当にこんなに凄い特性なの
でしょうか? アナライザに内蔵のオシレータより良い値まで出ています…。


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