Lightning to 30-pin Adapterの特性チェック


Appleのオーディオ製品では標準的に搭載れていたドックコネクタがついに廃止され、
新規格のLightningコネクタに変更されました。
このインターフェイスからは直接アナログ信号を出すことができませんが、
別売りの変換コネクタを用いることで従来のドックコネクタと同じ機能をもたせることができます。
そのカラクリですが、なんとコネクタの中にDACチップが入っているというではありませんか。
しかも最近のiPodがシーラスロジック社のチップを用いていることに対し、変換コネクタではなんと
過去のiPodで評判の良かった英国wolfson社のDACチップが入っているらしいではないですか。
ちなみに型番はWM8533というものらしいです。

というわけで、iPod内部のDACを使用しない変換コネクタからの出力信号はいったいどんな特性
なのでしょうか。さっそくチェックしてみました。



■ノイズレベル 無音ファイル再生時、600Ω負荷にて

5.2μV 30kHz制限
153μV 帯域制限なし

■出力インピーダンス 電流注入法にて
492Ω

■信号レベル(無負荷)
0.969V

■THD+N @1kHz 0dBFs 無負荷
0.025% 30kHz制限
0.108% 帯域制限なし


■周波数特性 実線:無負荷  点線:600Ω負荷




というわけで正直なところ先日測定したiPod touch 5thのヘッドホン端子と比較すると、けっして良い値ではありません。
また、過去に測定したiPod nano 4Gでもdockコネクタの出力のヘッドホン端子の特性より劣るという結果が出ています。
おそらくこれはdockコネクタの出力インピーダンスが高く設定されていることと、配線の精密さなどが影響していると考え
られると思います。ちなみに計測時の出力ケーブルは短いものを使用し、dockコネクタ部は極最短で結線しています。


ではひきつづきRMAAによる特性も御覧ください。

RightMark Audio Analyzer test report

Testing device Lightning to 30-pin Adapter
Sampling mode 24-bit, 48 kHz
Interface  
Testing chain  
RMAA Version 6.2.5
   
   
20 Hz - 20 kHz filter ON
Normalize amplitude ON
Level change -0.3 dB / -0.3 dB
Mono mode OFF
Calibration singal, Hz 1000
Polarity correct/correct



Summary

Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB
+0.02, -0.27
Very good
Noise level, dB (A)
-105.1
Excellent
Dynamic range, dB (A)
100.7
Excellent
THD, %
0.0019
Excellent
THD + Noise, dB (A)
-90.9
Very good
IMD + Noise, %
0.0053
Excellent
Stereo crosstalk, dB
-57.3
Average
IMD at 10 kHz, %
0.0042
Excellent
General performance
 
Very good



Frequency response

Spectrum graph

 
Left
Right
From 20 Hz to 20 kHz, dB
-0.27, +0.05
-0.30, +0.02
From 40 Hz to 15 kHz, dB
-0.24, +0.05
-0.27, +0.02



Noise level

Spectrum graph

 
Left
Right
RMS power, dB
-103.9
-104.1
RMS power (A-weighted), dB
-105.0
-105.2
Peak level, dB FS
-83.1
-82.5
DC offset, %
-0.0
-0.0



Dynamic range

Spectrum graph

 
Left
Right
Dynamic range, dB
+99.6
+99.7
Dynamic range (A-weighted), dB
+100.7
+100.8
DC offset, %
+0.00
-0.00



THD + Noise (at -3 dB FS)

Spectrum graph

 
Left
Right
THD, %
+0.0016
+0.0022
THD + Noise, %
+0.0027
+0.0031
THD + Noise (A-weighted), %
+0.0025
+0.0032



Intermodulation distortion

Spectrum graph

 
Left
Right
IMD + Noise, %
+0.0051
+0.0056
IMD + Noise (A-weighted), %
+0.0048
+0.0053



Stereo crosstalk

Spectrum graph

 
Left
Right
Crosstalk at 100 Hz, dB
-56
-56
Crosstalk at 1000 Hz, dB
-56
-56
Crosstalk at 10000 Hz, dB
-56
-56



IMD (swept tones)

Spectrum graph

 
Left
Right
IMD + Noise at 5000 Hz,
0.0037
0.0046
IMD + Noise at 10000 Hz,
0.0038
0.0043
IMD + Noise at 15000 Hz,
0.0042
0.0048



いかがでしょうか。
なお、こちらにiPod touch 5th gen.との比較があります。

ノイズレベルは誤差範囲ともとれますが、クロストークに関してはかなり劣っているのがわかります。
これもやはり出力インピーダンスの高さの影響なのでしょうか。



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