トランス実測データ


メーカー公表値の無いトランスなど、測ってみたもののデータ置き場


■東栄変成器(TOEI)
0-300-600Ω/0-4-8Ω (600Ω-8Ω間)




周波数特性





歪率

いずれも信号レベル +10dBu (オシレータ出力/一次側電圧はおよそ-6dB)






■東栄変成器(TOEI)
0-7-10-12KΩ/0-4-8Ω (12KΩ-8Ω間)


格安のハイライトコアを使用した1000円以下で買えるお手軽トランス



周波数特性









■LUNDAHL(ルンダール) LL1524  1:1トランス



1:1のライン出力トランスとのことですが、ソースインピーダンスが600Ω程度の低い値でも低域が
20Hzで3dB以上も落ちています。これではオペアンプで直接ドライブするでもしないと使えないですね。
※発振器出力+4dBuで、0dBr=0dBuです。



■タムラ THS-2   600Ω:10KΩ


周波数特性

二次側は10KΩ負荷固定で、一次側のソースインピーダンスを規定の600Ωの時および40Ω時での周波数特性
規定値より低いと若干特性に余裕がでてくる感じ。


歪率

発振器出力は-10dBu。ソースインピーダンスは600Ωにて。
これ以上レベルを上げると低域が飽和し始めるのか、どんどん歪率が上がっていく。
10Hz 5%
20Hz 0.9%
100Hz 0.03%
1KHz 0.003%
といったところ。


というわけで、20Hzと100Hzでレベルごとの歪率を測ってみました。



おおむね0dBu以下が実用のようです。(20Hz 0.4%) 





■タムラ TPAS-10S   600Ω:10KΩ

THS-2よりもひと回り大きなライントランスも測ってみました。

周波数特性

測定条件はTHS-2の時と同じく、二次側は10KΩ負荷固定で、一次側のソースインピーダンスを規定の600Ωの時および40Ω時にて、発振器出力は0dBu。
こちらのほうがコアが大きいせいか低域も限りなくフラットです。
10Hz-0.2dB、20Hz-0.1dB、20Hz-0.09dB(@600Ω)
10Hz-0.08dB、20Hz-0.03dB、20Hz-0.07dB(@40Ω)


歪率

発振器出力は-10dBu。ソースインピーダンスは600Ωにて。
10Hz 0.18%
20Hz 0.06%
100Hz 0.005%
1KHz 0.004%
これまた優秀な値です。



20Hzと100Hzでレベルごとの歪率

こちらも全域でTHS-2を上回る性能となりました。
やはりコアサイズがモノを言うのでしょうか。



■JRC STFT-9004 600Ω:1200Ω(C.T.)
かつて秋月で格安にて売られていたテレコム用オーディオトランスです。

特性は600Ω:1200Ωのマッチング状態で発振器出力を0dBuと-20dBuにて。
なんだかまずまずな値です。


周波数特性




歪率




歪率 レベルごと@20Hz

これを見るからには良好なのは-20dBu以下と、マイクレベル用に適しているといえるでしょう。


あと一応ソース40Ω負荷オープン-10dBuでも周波数特性をとりました。
回路定数によっては最大でこのくらい低域が伸ばせるという目安になると思います。




測っていて実感したのですが600Ω:1200Ωという変成比は電圧レベルはほとんどかわらず、
アイソレートやバランス-アンバランス変換みたいな用途になってしまいます。




■MARINAIR T1444 NEVEのトランス 1:1結線 送り出しおよび負荷インピーダンス1.2kΩにて

周波数特性 発振器出力+20dBu〜-40dBu 10dBステップ

伝送ロスは0.6dBくらい。
+20dBu出力(+14dBu印加)では30Hz以下で飽和が始まっています。
マイクトランスであるためもあり、微小域でも低域までのびています。


THD

20kHz(一番下の緑)からオクターブ区切りで10Hzまでのレベルごとの特性をとりました。
10Hzでも飽和しなければ1%切っているのは優秀ではないでしょうか。





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