隣接されたトランス同士の結合によるクロストーク


真空管アンプの出力トランスなどにおいて左右チャンネルのトランスの配置のしかた
によってチャンネル間クロストークがどの程度発生するかを調べました。

使用したトランスは東栄変成器の600:8Ωのもの。
発振器出力は20Vでトランスはマッチングされた状態で動作させ、二次側の電圧は
1kHzにて約1V。この状態でトランスの位置を変えながらクロストーク値を記録します。
なお、被測定側のトランスは一次側を600Ω、二次側を8Ωで終端しています。





































































次に、最もクロストークの多い状態でクロストーク分の周波数特性を測ってみました。



1kHzでのクロストークが-66dB時に、一番クロストークが少ない5kHzでは-75dBに。
低域では多くのクロストークが発生する傾向があり、100Hzでは-52dBを記録しました。



最も結合された状態でも-60dBクラスのクロストークが確保できるというのは予想外でした。
1/1000程度のレベルであれば、特にパワーアンプ関係では無視しても良い程度ではないかと
考えますがどうでしょう?

ヘッドホン絡みの場合は低域のクロストークが逆相になる場合は気をつけたほうがいいのかも
しれません。
それを考慮すると、トランスを積み重ねる場合は上下をひっくり返さず同じ向きで積み重ねるのが
ベターです。筐体を挟んで向かい合わせるような場合は結線を逆相にしたほうが良いといえる
でしょう。
しかし別ページにあるようにヘッドホンのコードの共通インピーダンスによる逆相クロストークが
-40dBくらいあるようですから、それを考えると気にしなくてよいレベルともいえます。






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