iPod nano 4Gの歪率測定


イコライザー測定の項で見てわかるように、iPodの周波数が素晴らしくフラットということが判ったので
今度は歪率を計測してみました。
測定条件は、WAVEファイルにて44.1KHz/16bit 0dBFsで収録したサイン波を再生し、
ヘッドホン出力の特性を見ています。
まず、水色ラインはボリューム最大で無負荷の状態。十分すぎる性能が出ていると思いますがどうでしょう?
次に測定したのがイヤホン接続を想定し、33オームの抵抗を負荷として接続した場合の測定。
iPodではボリューム最大で最大レベルの場合に負荷が繋がると波形がクリップする症状が確認されています。
この状態が赤色ラインの状態です。歪率が2%を超えてますし、音楽ソースでは気にならないかもしれませんが、
サイン波を聞くと明らかに歪んで聞こえると思います。
しかし、この状態でボリュームを少々下げることによって、33オームの負荷があっても、ほぼ無負荷の状態と同じ
特性が得られることがわかりました。



                             ※例によってx軸を対数にする方法がわかりません!



どうでしょう、これならハイファイオーディオ機器としても十分に使える品質ではないでしょうか??
ちなみに周波数特性もむちゃくちゃフラットです。(プリセットイコライザーの項参照)
iModとか要らないんじゃないでしょうかww

っと、ひとつだけ注意点があります。この測定では可聴範囲内のみを計測していますが、
iPodではD級アンプを採用しているためか、可聴外にそこそこの量のノイズをばら撒いています。
-16dBFs程度のサイン波を再生して波形を観測すると、あきらかに濁っているのが確認できます。
この部分に関しては接続した機器に悪影響を与えないためにも、簡単なLPFでもよいので組んであげる
ことがベターだと考えます。


※ドックコネクタのライン出力についても測定しましたが、ヘッドホン出力と遜色のない結果が得られました。
特にライン出力が良いということはなさそうです。
異なるのはボリュームコントロールの有無と出力インピーダンスくらいでしょう。



ちなみに両端子の仕様は(実測値)

■ヘッドホン出力

最大出力レベル   +2.47dBu (信号レベル0dBFs , ボリューム最大 , 無負荷時)
残留ノイズ       -83.1dBu (Flat 〜24KHz)
出力インピーダンス 約5.3オーム


■ライン出力

最大出力レベル  +0.49dBu (信号レベル0dBFs , 無負荷時)
残留ノイズ       -83.5dBu (Flat 〜24KHz)
出力インピーダンス 約104オーム


今日はここまで。

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