ポータブルプレーヤ用ヘッドホンマッチング&ライン出力トランス単巻バージョン


ポータブルプレーヤでヘッドホンを最適な状態で鳴らすためのアダプタ(アンプじゃないから恥ずかしくないもん)の製作






iPodとかのヘッドホン端子はインナーイヤホンなど16Ω程度のインピーダンスのものが良く鳴るように作られています。
これにヘッドホンを繋いだ場合はインピーダンスが合わないために効率が悪く、大きな音が出なかったり
ダンピングファクターが高くなりすぎて低音の豊かさが出なく、固くてうるさい音になりがちです。
ヘッドホンを上手に鳴らすためには外付けのヘッドホンアンプを用いる方法もありますが、ここではトランスを用いて
マッチングを取る機器を製作してみます。
アンプ回路がないため電池不要で、ノイズが増加することもないという画期的な方法(のはず)です!

また、ヘッドホン使用時のみならず、iPodをアンプ等のライン入力に接続する時に音が小さい問題も、本機を接続する
ことで音量増加できます。


今回の設計の特徴は、オーディオでは珍しい単巻トランス(オートトランス)を用いている点です。
通常、単巻トランスは電源のステップアップトランス(100V→120V)なんかに良く使われています。
単巻トランスを使用するメリットは、1次側と2次側で巻線を共用することで同じサイズのコアを用いてもより沢山のコイルが巻く
ことができ、これにより小さいサイズのトランスでも低音が出せるようになります。
前作は低域が得意なパーマロイコアを用いて小さいコアで特性を得ることを達成しましたが、パーマロイコアのトランスはコア材
が比較的高価であることや、余裕のない設計をした場合、限界を超えると一気に特性が悪化する場合もあるため、
可能であればなるべくオリエントコアで大きいサイズを用いたいところ。しかしポータブル用途のためコアサイズをこれ以上大きく
することを避けるため、単巻きを採用しました。

※2011.6.12 試聴メモ
ひさびさに引っ張り出して来てiPod nano4Gと本機とSONY MDR-CD900STの組み合わせで
"PURE -AQUAPLUS LEGEND OF ACOUSTICS-"を再生してみました。
iPod単体の時に比べ低音(ウッドベース)の質感が膨らむ感じになり、このせいか音場も
豊かに広がる印象でした。本機を外して直接つなぐと平べったい音像に戻りました。
低域に変化が出るのはやはりトランスの効果+ダンピングファクターの変化によるものなのでしょうか。




※使用ケースはタカチ MX4-7-9BBです。



使用トランス

染谷電子 A28-186   16Ω: 63Ω 巻線比 約 1: 2


データシート


















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